相続について

相続とは

相続とは、誰かが亡くなった際、その方の財産に関するすべての権利と義務を、ご家族やご親族が引き継ぐことをいいます。
相続は、被相続人が亡くなった瞬間に自動的に開始され、すべての財産が一旦相続人全員に引き継がれます。
その後、遺言書や遺産分割協議を経て、財産が分配されます。
相続の対象となるのは、現金や預貯金、不動産などの「プラスの財産」だけでなく、借金などの「マイナスの財産」も含まれます。

相続の対象となる主な財産

プラスの財産

• 現金
• 預貯金
• 不動産（土地、家屋など）
• 有価証券（株式など）
• 家財道具
• 貴金属・宝石・骨董品
• ゴルフ会員権

など

マイナスの財産

• 借金
• 住宅ローン
• 損害賠償
• 連帯保証人としての債務
• 未払いの税金

など

相続順位とは

相続において、法律で定められた相続の権利を持つ人を「法定相続人」といいます。
法定相続人の範囲と順位は民法で定められており、配偶者と一定の血族に限られています。
被相続人が亡くなった際、配偶者が存命であれば、配偶者は必ず相続人となります。

相続順位

第1順位	子（直系卑属、孫など）
第2順位	父母（直系尊属）
第3順位	兄弟姉妹

この順番に基づいて相続権が決まります。なお、第4順位は存在しません。

遺言がある場合

被相続人が遺言書を残している場合、基本的にはその内容が優先されます。遺言書に基づいて相続が行われるため、相続順位に従った相続とは異なるケースもあります。
ただし、配偶者や直系卑属（子、孫）、直系尊属（父母、祖父母）には、最低限の相続権を保障する「遺留分」が法律で定められています。
遺留分は、法定相続分の半分ですが、相続人が直系尊属のみの場合は遺留分は3分の1になります。
兄弟姉妹には遺留分はありません。

法定相続分の割合について

相続人の範囲だけでなく、各相続人が相続する財産の割合も法律で定められています。
これを「法定相続分」といい、遺産分割協議の際の基準となります。
法定相続分の割合は、相続人の組み合わせによって異なります。

法定相続分の割合の例

配偶者と子が相続人の場合
配偶者	1/2
子	1/2（複数の子がいる場合、その1/2を分け合います）

配偶者と父母が相続人の場合
配偶者	2/3
父母	1/3（複数の父母がいる場合、その1/3を分け合います）

配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合
配偶者	3/4
兄弟姉妹	1/4（複数の兄弟姉妹がいる場合、その1/4を分け合います）

これらの法定相続分に基づき、遺産分割協議が行われますが、相続人全員が合意すれば、これとは異なる分割方法も選ぶことが可能です。